ゲーム+α日記(2000年1月)

'99年 12月 11月 10月 9月


1/30

 長く遊び続けてもらいたいという気持ちが、この作り込みの中からにじみ出ているようです。
 貸してもらえた「コナミアンティークス MSXコレクションVol.1」から「ゴーファーの野望」を遊んで、しみじみとそう思いました。

 何を今さら、というのは百も承知で。自分にとって初めてならそれが全て。
 至る所が死に場所で、ボス登場前のひとときくらいしか息が継げなくて、でもそこでわき見なんかしてると、気がつけばシャッターに行く手を阻まれていて潰されるしかなくて。
 復活するときの理不尽とも思える難しさに投げ出しそうになりながら、やがて僥倖でも何でもとにかくそこを抜けることができて、道中の難しさに比べたらとちょっと油断したら、もっさりした縦移動のボスとぴったり歩調を合わせて動いてしまい、虹色(!)レーザーを正面から受け止めざるを得なくなって。
 初見では絶望したラスト直前の渦巻き状巨大ボス内部にそれでも何とか潜入して、残すはコアだけと安堵の思いでショットを撃ち込んだら、狭い中での撃ち返し弾を避けることができなくて、愕然とした必死顔の形骸だけが後に残されて。
 さあエンディングだと思いきや悲しげなメロディとともに記されるバッドエンドの年譜に、あわてて説明書を読み直したりして。

 そこへ、グラシリーズの大ファンだった友人からこれも中学時代に借りて聴いたおかげで覚えてだけはいた曲が、宙ぶらりん状態から一つ一つ持ち場へ定着していく過程が加わる(でもこんなにビブラートが激しかったかな? もっと乾いた音色だった気がするけれど)。

 お腹一杯です。PSの外伝よりも総プレイ時間は短かったけれど、密度がその比じゃない。
 でも本当は少しずつ「長く遊び続ける」のがいいのだろうな。


1/29

 あんまり面白くないことを知っていながら安いからって理由で買って、遊んでみたらやっぱり面白くなかった、では真面目に落胆する気になりません。
 腹立たしさも中ぐらいなりおらが冬、という趣で。いや、春のままでいいのか。
 プレイステーション版「パカパカパッション」のことですが。

 ゲーセンでは、「大きな筐体なしで遊べるビートマニア」という位置づけで捉えていたけれど、説明書を読んでずいぶん違う設定だったことを知る。そういえば一人プレイでも隣で誰かが踊っていたっけ。なんでも演奏の上手下手を競うらしい。
 でも、
「同じ曲を、異なる楽器を担当して演奏する」
という設定からは、下地だけの曲を完全なものとするために「力を合わせる」とか「協調する」といった、相手とのベクトルを揃えたイメージしか浮かんでこない。

 音楽をやって何が嬉しいかっていえば、バラバラの音をもとに、耳に心地よく響く曲を自分の手で組み立てられた、と感じるところにあるわけで。演奏できないから悔しいというのはあっても、相手がうまいから悔しい、とはならないはず。
 「音楽は戦いです」って宣言しているこのゲームだけれど、それは違うと思うのです。

 これでゲームが面白ければいいけれど、曲のリズム通りでは正解判定がもらえないのが悲しい。コンピュータに模範プレイさせてみたら微妙に先行入力している様子。
 それはゲームを楽しむための基本事項として受け入れるにはちょっときつい条件です私には。「1小節を16に区切ってある」のに加えて「画面の下から上に突然ワープする」おかげで視線の移動に大小ダブルの不連続性をもたらす楽譜のシステムに合わせるだけでも大変なのに。


1/25

 不肖わたくし秋田に越してひと月、今夜初めて北国の冬というものを見た気がした。

 つーことで、ない予定を変更しても先ほどの風景を述べるとするなら。
 芯から冷え込む駐車場で、ふるいにかかった粉砂糖ほどのきめ細かな雪が全方向から吹き付ける。積もった後も向きの定まらない風に導かれて波打つように軽やかに移動する粉体、といった様子が常夜灯に映し出される光景は息を呑むほど美しい。

 白い砂漠というのがふさわしい。こんな砂を呪文と一緒に頭からさらさらと振りかけられたら、速攻で術にかかって眠るだろう(永遠に)。

 冷たくも美しい冬、というものを実感した。
 でも明日の朝が「あんなの全然本気じゃなかったよー」てな景色になっていそうで楽しみでも恐怖でもある。

 あら。シルバーガンページを移し忘れてたなんて。


1/23

○昨日車に乗せてもらったのは、スキーに行ってきたからでした。
 SPEEDは運転手の趣味だったけれど、それとは別にゲレンデでは絶えずはやりの曲をかけているんで、特にリフトで移動中なんかはどうしたって耳に入ってくる。

 こんなふうに何でも野蛮な太陽のせいにできたら楽だろうな。郵便ポストが赤いのも、来るまでに乗り物酔いに悩まされたのも、あられが顔に叩きつけてくる今日の厳しい天候も、みんな太陽がいけないんだ。
 最後のは正しい気もしてきた。

 鬱という字を〜辞書で引いたぞ〜
 あたしの名前そこに書いておいたぞ〜

 さんじゅうーななどーにぶのーはーつねつー…
 あ、どこかに行ってしまいそうに飛び跳ね回るこの声の持ち主は。
 新曲出したんだ。さっそく明日にでも買ってくることにしよう。

 8年ぶり2度目のスキーは、スピードと揺らぐ足首、二種の恐怖に耐える我慢の尊さを教えてくれた。

○おお、実は恵まれてるのか? スプライツ。もっとまともな紹介ページ作ってあげればいいのに。

○ODNから移転しました。


1/22

 専門家同士が、こみ入った、しかし双方とも背景を諒解済みの事柄を話し合う。その時、問題の持つ特殊な条件を日常的な言葉を延々積み重ねて説明するのは煩わしくてしょうがない、ただでさえ悩みの種について深く考察する暇が欲しいところなのに、と思うのは自然なこと。
 一つの単語に内輪で複雑な意味を持たせるのは、時間の短縮を図るために有効な方策だ。

 私はテクニカルタームを使うのが好きではない。何度か耳にしてはいてもいざ口にしようとすると、それが含む意味を頭の中で列挙し、この場で使うのが真に適切かどうかをじっくりと検討し出すことになる。さらには、自分の知らない別の意味が確かあったはずなどと迷い始めたりもする。
 それなら既知の言葉で言い換えたり、身振り手振りを交えたりするほうがよっぽど早く伝わる。

 でも、それで通せるのは新参者のあいだだけ。
 ちょっと変わった言動が新入りゆえに大目に見てもらえるとしたなら、使わないで済ますより、誤って使ってその誤りに気づいたほうがいいに決まってるものな。
 そうだよな。

 文字にしてみるとすっきりした答えが出ることが多いみたいだ。まわりくどいけど解決できるならそのほうがいいに決まってる。


 それと全然関係なく。
 車に乗せてもらっての移動中に、SPEEDのシングルメドレーのようなものを何周か聞く機会に出くわした。
 しまいには嫌になりました。何だってこうもこの人たちは自分に負けるな負けるなと叫び続けますか。それってどういう意味なんだろ。


1/18

 「ONE」の曲は永遠の世界のシーンじゃなかった。おとといの日記を他にもいろいろと訂正・補足。

 「ONE」といえばS.MA.P徹底レビューが大衝撃。読んだ日の夜は興奮するやら悔しいやらでなかなか寝付けませんでした。
 なぜ悔しいかってそんなことこの俺に説明させるなムキーッ! て感じで。ええ。素晴らしい。


1/16

 リクエストがあったら好きな曲を着メロに入れてあげるよと言ったら友人に「絶対音感があるのか」と聞かれ、正確な定義を知らなかったその時はないと思うと返事をしたけれど、その名もずばり『絶対音感』(最相葉月著、小学館)という本を読んだ今なら彼の問いにもう少しはっきりと答えることができる。
 ありません。と。
 確か、前にブームになっていたっけ『絶対音感』。

 自分にできるのはメロディをハ長調に直した上でのドレミ判別でしかなくて、一応基準としてドを思い浮かべられるけれど、他の音はそこから一音ずつずらしていかなければならない。
 絶対音感の習得は幼児時代でなければ厳しいのだとか。ピアノを習ったのが小学三年からでは、いいとこそのくらいなんでしょうか。才能の問題も大きいだろうし。今続けてないし。
 第一、音楽をやる人の一般的な基準音はドじゃなくてラなんだそうな。

 そんなわけで、一旦ハ長調で入力した曲を転調し直そうとすると結構苦労する。
 その代わり、完成した曲を聴いたときの満足感もひとしお。やはりこの高さでなくちゃあ。最近のお気に入りはグラディウスのステージ7。
 でもこれはハ長調なんだよな。

 私の持っているP208というのは一曲当たりのスペック(128音符×3、3オクターブ、テンポ4段階、付点・三連符のみ指定可)では見劣りしてしまいますが(あ、ハモメロできないやつは問題外ね)、それでもグラ1の7面ほどの長さなら再現可能なので全然OKです。
 一曲の質より量で勝負だ! 保存可能曲数10はシリーズ中おそらくNo.1、当然いずれは名曲で埋め尽くさなければなりません。
 グラ1以外では「ONE」からゲーム開始直後の曲(A→A'→B→Cと大まかに四分割できるがAのみカット)、「スーパースターフォース」から時の泉の迷宮(後半のごく一部)、「FF6」からティナのテーマ(前半のみ)、などがまずまずのでき。こんなのがかかると、ますます電話に出たくなくなります。


1/15

 ゲームに的を絞った、他人に見せることを前提とした日記を付けるようになってから、生活におけるゲームの比率が高くなりました。「日記に書くことを探すようにゲームを遊ぶ」ことが増えたためです。そうすべきだと思えてならなかったので。
 それが負担に思えてきたあるとき、日記を数日おきにしてみました。すると、ゲームに費す時間も減り、暮らしに若干余裕が生まれました。

 ゲームに溺れる意志の弱さを日記のせいにしている、とか、考えるということなしに遊んだ事実しかネタにできないとは情けない、とか、個人的にネガティブな理由が浮かんできて凹みますが、それだけではなく、過去を振り返り積み重ねることで未来への指針が得られるという日記の特質も、このフィードバックに影響を与えているはずです。

 そう思って、試しに勤務内容に特化した日記を別に作ることにしました。
 一日の大半を占めるだけあって、その気になると書いても書いても終わらない。一年も続けられたら、仕事に対する考え方にちょっとした変化が起きているのではないかと期待しています。


1/12

 遊びに行った先にあったコナミのMSXソフト集、その中で、ちこっとだけ見た「ゴーファーの野望」に目が釘付けになった。
 これまた音楽だけを知っている半端なおなじみソフトではあったけれどプレイは初めてで、同じソフトに入っていた「グラディウス」と比べての異常な進歩ぶりに大興奮。ステージ1の炎の惑星、吹き上がるプロミネンスの頑張りぶりは何事でしょうか。
 「グラディウス」とはBGMの和音数が違っていたから全く同じハード構成ではないのでしょうが、それにしてもすげえぜMSX&コナミ。全ステージを知りたくてたまらなくなってきた。今度貸してもらおうっと。


1/10

 今年の目標は「有言実行」です、なんてタレントが言うのをテレビで聞きましたが、響きよく聞こえるものの、本来の意味通りなら大っぴらに他言することではないのではないか。
 多分「有言」に心惹かれたのでしょう。つまり、考えていることをはっきりと口に出せるようになりたい、一家言持っているところを示したいと願い、「実行」は語呂がいいからつけてみた、といったところではないかと思います。
 不言実行ができているなら、そこから降りてくる必要ないものなあ。

 ひざぱ外伝用の小シナリオを公開
 購入直後に作ったものを今になって引っぱり出すのもどうかとすごく迷いましたが、あっちは最近更新していないし、目立たない文字で予告もしていたので。
 他の作品をぜひ遊びたいと思っていましたが、シナリオコンテストが全く音沙汰ないんで、もう諦めました。
 ひざぱって何? という方は…ええと、あんまり、というか全然、気にしないで下さい。


1/7

 なにぃKanonの全年齢対象版だと! しかも発売日は今日。
 アダルトシーンとほぼ同枚数のCGを差し替えたバージョンだとか。このゲームではその手のシーンで畳みかけるように数葉のグラフィックが一気に開陳されるので、けっこう多くの新イベントが出てくることになるのか。
 うーん、一番の弱点である拙い18禁シーンの存在をてこ入れ(というか削除)してくるとは侮り難しKEY。定価も下がったことだし、万人に勧められるゲームになってしまった。そのままPSあたりで出そうな予感も。むしろPC版で出ることが謎。


1/6

 「RISING ZAN」ですが。
 てらわない馬鹿っぷりは完璧。「全ての男子待望の漢(おとこ)イベント」「危機をセクシィに乗り越えろ!」でイベントですることといえばボタン連打、「かなり疲れますが、これは漢(おとこ)のゲームです。ぜひがんばってください」
 以上、CDケース裏および説明書より。他にもいくらでも引用できる。このさりげなさが素敵。

 しかしながら肝心のゲームがっ! 求められているセクシィなプレイがどうにもできません。
 3Dマップの無意味な視点変更にもデュアルショックの強すぎる振動にも遅めのキーレスポンスにもどうにか慣れてきたものの、ダメージを負わないようにクリアしていくと、ステージ終了時のレポートで「YOU ARE CHICKEN」とけなされてしまう。
 俺だって忍者だのスモーチャンプだのからくりロボットだのをセクシィにぶった切って撃ちまくってスーパーウルトラセクシィヒーローと呼ばれて
初音ちゃんに尊敬のまなざしで見つめられたいのですが。
 悔しいけどどうしたらいいか分からない。

 このゲームのフォントでモータルコンバットを思い出し、確かめるためにちょっとスーファミ版を取り出してみて新年早々から心底無駄な30分を過ごしてしまった。大後悔。


1/4

 ―――実験開始―――

 新年も4日になって明けましておめでとうございますもないものだと思いながらも、世間の慣習を無視して一年中のべつまくなしにゲームネタで日記をつけ続けるのは、自ら進んで無視しているのだと思いこむことで周囲への関心の持てなさを誤魔化そうとしている点で二重にオタク臭くてイヤだ、とお思いの皆さま。
 明けましておめでとうございます。

 ―――実験終了―――

 このような書き方が書き手のどんな意図を反映したものなのかを、矛先を自分に向けた実験段階であってもひしひしと実感しました。
 この剣呑な武器を私は扱いこなせそうにありません。しまっておこう。


 さて、区切りの良い1000年の移り変わりに当たってゲームを遊ぶとしたら何が適当だろうか。去年のクリスマスと同じ趣向でふさわしそうなゲームを探してみます。

◎ファンタシースター4
 セガの看板RPG第四弾、サブタイトルが「千年紀の終わりに」。去年今年を貫く棒のように遊んでいくと大吉の予感。

○久遠の絆
 「千年前から好きだった。」(パッケージ裏記載)幾度となく繰り返す転生の中で語られる恋物語、雪の降る夜に静かに遊びたいイメージ。

▲ファイナルファンタジー5
 封じられた古代文明が千年の時を経て蘇る。次元の狭間をかき分けて、目指すはオメガの首級ただ一つ! というゲームではなかったような気がします。

 ありゃ。△が出てこない。
 そんなメンバーが雁首を揃えたミレニアム杯、制したのは…
 元日の時点では勝者なし。ゲームで年越しはしませんでした。除夜の鐘を聞きながら日付の変わる瞬間を神社で待ち、そのまま最も気の早い初詣へとなだれ込む、それが我が家の習いです。
 正月は「踊る大捜査線」映画版を見て、後は専ら「東京セブンローズ」(井上ひさし著、文藝春秋)を読んで過ごしました。
 良いですなあ「セブンローズ」。おせち料理が当然のように並ぶ食卓がにわかに、かつ強烈に有難味を帯びてきます。

 さて、初詣は済ませたことだしゲームの中で日の出を拝もうか、ということで、無理やりながら正月につなげて「RISING ZAN」をミレニアム杯の覇者としていきたい。って1000年の節目とは関係ない月並みな年明けになってしまった。
 おっと、「月」並みなんていったらお天道様に対して罰当たりかな。
 プレイステーション本体を買った理由の少なくとも十分の一はこのゲームにあります。わーい楽しみ。

 そんな感じで今年もよろしくお願いします。



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