ゲーム+α日記(2006年9月)

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9/30(土)

 『テトリスDS』が自分にとって初登場となる要素は、よじ登り回転や6手予告ブロックや「ホールド」だけではなかった。
 特に対戦で威力を発揮する特徴だと思い、「T-spin」の習得にしばらく力を注いでいました。

 棒ブロックは別格としても、たいていの場面に対応できる便利品であるところのT型ブロックに、ここではさらに優遇措置が施されています。
 回転したその場で着地させたとき、特定のパターンだとボーナスが入り、対戦では相手陣地に消したライン数が倍返しで積み上がるという案配。
 T型ブロックはより高機能に、そしてほかのブロックには仕込みが必要なしわ寄せが及ぼされ、と、重要度の格差は広がるばかりです。

 これに着目した効果は、実力にすぐに反映されました。ブロックを積み上げる速度ががた落ちした末の、格段の弱体化となって。
 T-spinが成立するパターンは、棒ブロックによる4ライン消しに至る詰め込み主義からは外れ、隙間を一旦作らなければならないものが多い。これまでわざと隙間を作るためのパターン作りなど考えたこともなく、ブロックを落とす前のいちいちに確認の一呼吸二呼吸が入ってくる。その間に敵さんの攻撃を目一杯受けてあえなく撃沈。くるくる回しながら考え込んでいる場合じゃありません。
 落とした後で実は失敗だった、なんてことも頻発。これは実戦投入など当分先だと、まずは一人プレイで練習に励みました。
 その過程は、主人公に武器の熟練度を設定したロールプレイングゲームを思い起こさせるものでした。新たな武器を手に入れた。パラメータは強力、しかし手に馴染んでいないため使いこなせず、しばらくは直前まで使っていた平凡な得物に劣る威力しか出ない。
 あれは全く正しい設定だったと、しみじみ実感した次第です。

 そして得た結論は、「あまりこだわらない」というもの。
 狙いに対する成果としては情けない結論であることは否定できませんが、見方を変えれば「メイン武器と思っていたら実は使い切りの飛び道具だった」ことが発見できた、そういう使い方を開発できた、と解釈もできる。そういうことにしていきたいと思いました。
 乱戦のさなかに、適合される地形を偶然見つけ、手元にたまたまTの字があって、それで初めて成立する。五分と五分の戦いの中で、出せれば少しだけ均衡を崩せる。それくらいの意識でいれば楽しく取り入れられそうです(←取り入れていると言えるのか?)。

 そう割り切って、そうであれば限定されるパターンも頭に入ってくると、鈍っていたブロックの落下判断スピードも戻ってきて、それにつれて成績もまた少しずつ向上してくるのでした。
 この間の一連の成績の動きは、何かのモデルを感じさせるくらいにうまくできているものだなあ。


9/25(月)

 『テトリスDS』でネット対戦にいそしむ自分のプレイスタイルが、シューティングゲームの新しいタイトルに触れたときのそれによく似ていることに思い当たりました。
 出てきたピースをできるだけ速く隙間なく置く、そのことに全神経を集中しているのです。

 この状態は、自機の周囲にやってきた敵弾にだけ気を配り、当たらないようにひたすら反射的に避け続けながら先へ進む、弾幕シューティング初心者お馴染みのあの方式だ。
 一方、自機から視点を外し、敵弾の流れを見て避けるべきかどうかを判断する手法に対応するテトリスの遊び方は、次回以降に順番に予告されているピースを見て、今操っているピースの置き位置を変えることに相当する。
 予測に気を取られることで反射神経が制限され、その代わりに落下地点候補の優先順位がより明確化します。

 それは価値があるかも知れないと思い出し、しかしいきなり何手も先を見据えるなんて無理だから、まずは次のピースに着目しようと意識するも、反対側の画面端に表示されている「ホールド」(予備で一つだけ持てて、いつでも場のピースと取り替えられる)ピースと見間違え、思わぬ置きミスを犯す始末。
 それも一度や二度ではありません。それにも気をつけようと神経を割き、また反射に費せる神経の配分が減る。
 これを進歩していくと言っていいのだろうか。定石を覚えてどう見ても弱くなった現状を越えた先に、それ以上の強さは待っていてくれるだろうか。半分楽しみです。


9/23(土)

 どういう風の吹き回しか、『テトリスDS』Wi-Fi USBコネクタを同時購入し、3日目にはネット対戦に臨んでいる自分がいました。

 1日はシングルプレイのスタンダードで延々とピースを落としまくり。前回のテトリス体験がスーパーファミコンの『テトリス武闘外伝』か、というくらいのブランクでしたが、さすがにこのルールは忘れちゃいまい、自転車に乗るようなものだ。
 と思えば、ピースが着地してからも回転や移動を長時間行え、さらにピースの中心からずれて回ることがあって、回転しながら積まれた山を登っていく挙動に出くわしました。
 動きを止めないその粘り強さにひとしきり笑った後、ああこれが今どきのテトリスなんだなあ笑ってるなんて時代遅れだなあと感慨を覚えた次第です。自転車だと思ってたら車輪が4つ、くらいの変わりようだと思いました。

 もう1日はWi-Fiの接続設定にかけ、いよいよ対戦。これはすばらしい。
 やりとりする言葉がピースの群だけという簡単さ。これなら自分も知っているので安心です。そしていくら遊んでも無料という驚き。
 なるほど、任天堂の掲げるキャッチコピーはこういう意味であったか。ネットゲームへの心理障壁を取り去るその方針に深く感謝しつつ、またつなげることにしようと思います。


9/19(火)

 プチゲームやらリズムゲームやら、このところ軽量級のゲームを求めているふうであったので、読み物ゲームにおいても短尺ものをと、『planetarian』に取り組んでみました。
 予想以上にすぐ終わったのに軽く意表を突かれつつ、そのまま付属の小説にも進みます。

 選択肢を廃した真の読み物かつ短編という、クリア至上ならこれほどの有望株もない本作ですが、何しろ通読で読み落としがないのだからクリアに価値観を抱きようもない。そんなことを気にしてはいけません。
 短い中にも前半と後半がはっきり分かれているのが面白いと思いました。後半が始まったときに「え? まだ続くのこの話は?」と戸惑ったくらい。
 その二つを大きく取り囲むようにつなぐのが付録の役割であって、だからこの物語はこの本込みでようやく見えるようになるのだと思いました(訳:本に教えてもらってようやく見えてきたように思いました)。
 本編単独では、プラネタリウム案内役・ゆめみが、自身でしつこく自己主張するのにどうしてもロボットに見えないことについて考え込む、それが自分の精一杯でした。

 モニターを挟んで異なる世界の住人であることに比べたら、主人公とゆめみの差異など何ほどのものがあるだろう。
 まして主人公の彼はゆめみと行動を終始ともにしている。例えばどこかで彼女と訣別する一幕があったなら、二人が違った立場にいることをもう少し強く実感できたかも知れません。
 そういう可能性を提示できる手法が、このゲームとよく似た外見で実施できたのではなかっただろうか。


9/16(土)

 『リズム天国』に絡めた世評があまりに目につくので、以前に手をつけて放り出していた『メイドインワリオ』を引っ張り出して遊んでみました。
 『メイドインワリオ』は一つ一つのルールが短くて登場が唐突で、何度か遊んで覚えてもらう仕組みになっている。それが気になって何となく途中でやめたんではないかな、と、覚えていない初プレイ当時のことを想像しました。
 同じものを遊んで失敗しながら覚えるのと、基本ルール集をあらかじめ遊んで本番に備える形式では、ゲームを進めている感じが強い分だけ後者の方が嬉しくなる。そういう理由で、遊んでいて楽しいのは断然『リズム天国』の方だなあ。初代『ワリオ』から3年を経ているのだから、単純に比べるのは不公平だけれども。
 というよりも、この2本はそんなに似てるだろうか、という定量化困難なものの程度を尋ねる質問は意地が悪いから取り合わないのが賢明だけれども、影を探してよしとすることで見落とすものもあるのではないか。作者しばりで作品は考えない方がいいと、改めて感じました。

 そんなわけで久々に『リズム天国』にも戻り、その楽しさに全種目パーフェクトを取るまで励んだ次第。
 にこやかな中にも手に汗握る緊張感を味わえ、たまらなく良いひとときでした。眠気も吹っ飛ぶというものだ。


9/14(木)

 『バイトヘル2000』所収「ひよこ鑑定」1セット(10分)挑戦記。
 ひよこの雄雌および生死を次々に鑑定していくゲーム。鑑定に右手側のボタン3つ・ひよこ送り出しに左手側の1つボタンを使うことを予習済み。

 開始から30秒後:鑑定は見た目ですぐ分かるので難しくない。単純作業に早くも飽き始める。
 1分後:左→右→左→右→……と交互に入力するため、手で持って支えていると画面が揺れて円滑な判定に支障を来す。本体を置き、上から指を各ボタンに割り当てて押す方式に変える。しかしそれで単調さがぬぐえるものでもない。
 2分後:もうだめだ、やめたい。しかしそう思った瞬間、これは自ら志願したバイトなのであり、飽きた・辛抱できない等という理由でやめるものではないとの考えに至り、プレイ続行。
 5分後:鑑定の成否に波が出ていることを自覚する。雄・雌の別をいいリズムで判断できているときに限って、たまにしか現れない死亡ひよこが登場してテンポを崩されるような気がしてくる。しかし逆に、リズムが崩れているときに死亡ひよこ出現を契機として体勢を立て直すこともある。
 7分後:頭がぼんやりしている。これを気力が一定レベルを維持していると見るべきか。目で追う力が弱っているようで、まばたきを意識的にしてみる。ごくたまに出現するレアひよこ(頭が異様に大きい)にびっくりしてしばし鑑定が止まる。
 9分後?:ひよこの鳴き声ばかりだったBGMに、「蛍の光」らしき曲が混ざり始める。突然集中力を取り戻し、鑑定速度・確度とも上がる。これまでの時間での鑑定成功率・速度などをグラフ化できたら面白いかもしれないと思う。
 10分:強制的に終了。次の画面へのボタンも押せずしばし放心する。

 疲れた。
 できるだけ長く付き合った者の勝ち、それはこのゲームでも他のゲームでも同じでしょう。しかし、他のゲームではプレイヤーが続けたいのにゲーム側の圧力に負けてゲームオーバーになるのに対し、今回はプレイヤーは続けたくないのに続けることの意義を理解して続けさせ、ゲームはそれを邪魔しない、という全然違った形が見られたことが新鮮でした。
 本当に楽しいことは趣味でする、これでお金がもらえて幸せと思えるなら仕事にする。稼ぐために我慢するこの気分は「バイト」という意識にふさわしいかもなあ、と、あまりに少ない例と個人の思い込みから無理矢理に導き出してみました。


9/10(日)

 『イリスのアトリエ グランファンタズム』クリアー。60時間強、『ファイナルファンタジーXII』のプレイ時間の半分ぐらい。
 こちらは全ての「クエスト」を終わらせてのクリアだから、虫食いだらけの『ファイナルファンタジーXII』プレイと同列に扱ってはいけないのかもしれませんが、それでも長く付き合った。総じて楽しい時間でした。

 最後のボスを倒しに行けるようになって、実際に倒してみて、しかしそれでゲームが終わったとは感じられませんでした。
 このゲームは、他の人の依頼を主人公たちが受ける形で進んでいきます。他の人が望むことをかなえる手助けをするのが彼らの役目であり、職務です。
 それに対して、この最後のイベントは、ヒロインであるイリスにまつわるもので、誰からの頼まれ仕事でもありません。そして、このイベントによって彼らのいる世界は大変な騒動になり、たくさんの街の人たち、また主人公と同じ職業の人たちが対応に当たります。
 規模の大小の差はあれ、他の人たちにしてみれば、今回のイベントも、これまで主人公たちが片づけてきた他のイベントと同じ位置づけであると捉えることができます。ここでは多くの人たちが、主人公達と同様に、依頼業務を日常的にこなしているのです。
 それがいきなり「最後」といわれても、なかなかピンと来ない。どうも自分の感覚はあの世界の側についているようで、あれは大きな、しかし一つのイベント、という印象でした。

 しかしそれでもエンディングを迎えるまではそれなりの時間をかけ、これまでよりずっと「遠いところにやってきた気分」を盛り上げる演出もあったので、やはり終わりは終わりなんだろうと油断していた。
 よって、まさかこの後に、「クリアしたことを前提として」「クリア直前のではないセーブデータで」「再びクリアする」ことで明らかになる追加要素があるとは思いませんでした。
 追加要素があること自体は、まだ終わっていない実感に対応していて好ましい。でも、この条件では、最初にクリアしたときのあの情景はもう再現できないのではないか。それはいただけません。

 最初のエンディングも悪くはなかった。というよりも、「最初に見た」時点で、良し悪し以前にそれは自分にとって重要なものです。
 新たなイベントによって上書きされてしまった最初のエンディングに寄せて、以下、少しですが、ネタバレ半分恥半分につき隠します。
 もしあの後エッジがどうしようもない虚無に落ち込むことがあったなら、彼の助けになれるのは、長く共に戦ってきたネルしかいないと思います。エッジは騒がしいものが嫌いというけれど、ネルのうるさいほどのその活力こそが彼に必要なのです。
 これから先も、ネルにはエッジを支えていてほしい。お家の再興はしっかり者の姉貴に任せておけばいいのです。例えば5年後、再び行動をともにする二人のあらんことを。

 あと、フェニルについては永遠の12歳ということで一つお願いします(←そこは隠さないのか)。

 なお、これもクリア後のお楽しみであるところの、ラスボスより強い敵との戦いですが、この敵に出会って名前を見たとき、『グランファンタズム』の作られ方の一端をのぞき見た思いがしました。
 その敵の名が、これを隠していると話が先に進まないので明かしますが「*ちびぷに*」と言うのですね。
 この*は伏せ字ではなく、恐らく『ウィザードリィ』のボスから借りてきているものでしょう。
 特別な存在であることを、派手なグラフィックや専用のモーションを用意することなく表すための、当時は苦肉の策でもあったはずの手段。それを敢えてここで持ち出していることが、偉大な先達の評価のされ方を引き合いに出して、力の入れどころに緩急をつけているとの宣言のように見えました。
 向上しないことの言い訳にではなく、より面白さを追求するためにである限り、その方針を支持します。
 あ、もちろん、命名に関するこの推測が当たっていることが前提だけれども。別の確固たる理由があるなら、この話はとんだお笑い種に過ぎません。
 こういう懸念があるから、シリーズものはうかつに語れない。日記くらいならいいとは思いますが。


9/4(月)

 近づけば刃向かわれ、そっけなくすれば憎からず思われる、常に等距離を保つかに見えるあの子は猫だなあ、猫が猫飼ったらどんな間柄になるんだろう、でもあの子が猫に見えるのは相手を人間視しているのとの対比だろうから、猫に接するときのあの子は猫でなくなるのかも知れない。
 ちょぴっとネタバレも交えて、フェニル絡みで己の猫イメージを確認したりしているうちに、
『イリスのアトリエ グランファンタズム』も終盤へ。もうじきお宝が全部揃うというところです。

 冒険に出かけるときは、いつだって用事を抱え込んで行きたくなる。
 このゲームでは大半のイベントが、何ヶ所かある「異世界」で行われます。一つのイベントはほとんど一ヶ所で完結します。イベントはいくつも同時に現れ、どんどん引き受けていくと、「異世界」によってイベントの密度にムラが出てきます。
 となれば、どうしたって高密度のエリアからこなしていきたい。それが効率の良いプレイというものです。一つだけの事件のために遠出(たとえ行くのが面倒でなくても、気分的に。何しろ「異世界」だ)すると思うと、出不精になってしまいがち。
 どの順序で進めても良いこのゲームで、それが自分の指針となっています。

 しかし、その意識が高じていくうち、いつしか目的と手段が逆転していることに気がつきました。
 何度も繰り返し現れ、物語の進行には全く影響せず、序盤ならともかく今となっては潤沢な資金やアイテムを報酬とするイベントを、他の仕事で行くのと同じ場所を舞台にしているという理由で引き受け、それをこなすのにそれなりの時間を割く、という具合に。
 話はちっとも進展しない。効率はどこ行ったんだか。

 そう、効率なんてどうだってよかったのです。話を進めるための効率である限り。
 そういう反復イベントは、フェニルが多く出してきます。何の用もなく話しかけても全くつれない返事しか帰ってこないフェニルに、頼まれごとが終わったことを報告し、報酬をもらい、一声かけられる。
 たとえイベント自体は何度も見たものであっても、このサイクルをこなしていくうちに彼女の反応がゆっくりと推移していく様子が見受けられます。その蓄積をこっそり窺うのが、楽しみで仕方ありません。
 目的は入れ替わっているようでいて、そうではなかった。最も良く楽しむための効率探しという形で、生き延びていたのでした。

 プレイヤーは、物語にとって重要なイベントを、報酬に特別な「ポイント」があるかどうかで知ることができます。しかし、それを優先させることは求められていないのです。
 話が進むかどうか、主人公たちは判断できない。ゲーム内のお偉方から求められているのは、ただ目の前のイベント群を分け隔てなくこなしていくことだけです。
 メインの話を追うことに執着せず、片っ端からイベントを引き受けることが、このゲームの楽しみ方なんだろう。主人公の立場に忠実にと、そう思ってゲームを進めてきた結果、現在に至っているのですが、まあプレイヤーの地がよく出ていると言えましょうか。

 それにしても、これらのイベントはフェニルが私情で依頼してくるものではなく、彼女は仲介役に過ぎないのに、なぜこのようなお楽しみが実現されるのか。不思議です。
 何にせよ、彼女に関心を向けたそのとき、この幸せは失われる。難儀なことですが、猫相手と思えばどことなく納得します。
 女の子を子猫ちゃん呼ばわりする向きも、そのような面倒を背負っているものなんだろうか(←呼びかけている時点でずれていると知れ)。



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