ゲーム+α日記(2009年7月)

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7/29(水)

 文章化ブームがはけ口を見つけて一旦治まる。
 しかしまだ『タイムリープ』プレイ中でもあり、連続してそうなったら気持ちが不安定で困る反面、振り返って楽しめそうでもあるので、どのような気分でも待ち構えます。

 もともと判官びいきの気があって、というよりは隙間産業でひっそりやっていきたいひねくれた目立ちたがり根性と言う方が正確だけれど、そこから出てくる思いはこの『タイムリープ』に対しても向けられています。近頃は、入念に仕上げられたキャラの表情や挙動だけでなく、その背景の割り切り方にも大注目中です。
 女の子に両側を取られながら歩く商店街にて、スクロールで流れゆく八百屋の店内に、おそらく板1枚に描かれたぼんやりバナナに目が釘付け。そりゃ、焦点を合わせるのは常に人物であって、背景は文字通りキャラの背中越しに風景的な色合いをしていればいいのだから、限られた力をかける配分はこれで正しい。
 一方から他方を振り返れば、そこには左右反転した以外は全く同様の背景が流れているのであり、つまりこの商店街は同じジャンルの店が道を挟んで真っ正面に構えられていて、地域密着型といってもなかなかの価格競争が予想される並びなのです。
 と、それはともかく、こういう切り捨ての判断ぶりは、魅力的な絵作りのセンスと表裏一体の気がしますが、果たしてどうなのか。

 そんな『タイムリープ』も、ここへ来てようやくパッケージを飾る、二人にして同一人物だけどゲーム中では終始やっぱり二人、のうちの年上のほうである歩(あゆむ)シナリオに突入、ようやく終わらせました。
 ようやくというのはいい表現ではないけれど、オープニングからずっと、一つ年上の頼れる姉としての顔を見せ続けてきた歩にはヒロインはあまり似合わないと思え、理由があるとはいえ散々保ってきた頑なな姿勢を折ったときは、かえって気の毒に見えたものです。
 当人同士がそれでいいなら、華もあるしすんなり納まるところでもあっていいのですが。

 さて、問題は、次に進めようとする、この歩シナリオをクリアすることで解放されたもう一人の方の話なのだけれど、これうまいこと決着するんだろうか?



7/25(土)

 4日前への小タイムリープなどという一頓挫があったものの、無事に『タイムリープ』二人目、遥シナリオをクリア。

 何の気なしに漏らした軽口が、大まじめにゲーム内で正史として語られ、それを知った主人公が自分と同じ考えの当てはめ方で驚くのを見ていて、いたたまれない気持ちになりました。
 今回のは事故。いつだって気持ちよく騙されながらプレイしたい。そして、プレイ中はいつだって余計な気を回さずにはいられないから、それを上回るトリックを、今後はよろしくお願いします。
 とは言っても、ネタバレに対する確信は全然なかったのですが。あったらそんな軽口は叩かない。

 シナリオの内容は前回の悠編をほぼなぞるようなもので、しかしそれさえもこの設定なら納得だと思うのは甘く捉えすぎか。
 今回の見所はとても強くなった悠のあり方で、その言動に感心しながら読み進めているうちに終わりを迎えた感じでした。
 悠はやっぱり主役なんだなあ。

 ところで、文章化が触発されたことを受けて、他のゲームにもそのエネルギーを振り向けられるか、テストしました。
 その結果、Memorial Games更新:
スタントマン★イグニッション
 本来は去年に書かれるべきだったものだけれど、それから最近までほぼずっと非文章ゲームに浸っていたこともあって、ここまで延び延びになりました。
 ちょっと恐いのは、意識していなかったのに、読み返したら当時の日記とほぼ同じ内容を書いていたことで、健忘症を心配した方がいい気が少ししました。
 あと、このゲームのタイトルはコロンが挟まれる表記と併用されているようですが、この★にこそ良い意味のB級感が現れていると思うので、ここはこちらを推したい。

 今回『スタントマン★イグニッション』を確認のために起動して、開発チームはなくなってしまったと聞いており全くもって後の祭りながら、支持のつもりでダウンロードコンテンツを買って久しぶりに遊んでみたけれど、やっぱり面白い。
 そういえば、4つ星を取れたときのボーナスって、模範運転のリプレイだったのですね。自身のリプレイを保存するときに、何かがあらかじめ保存されているのが気になってはいましたが、そういうことだったのか。一度も見ることなく、今になって知る初めての事実。



7/24(金)

 本日は更新などせず、じっくりと『タイムリープ』に取り組み、みんなのお姉さん・遥のシナリオを読み通すつもりでしたが。

 明らかな事実誤認以外で、過去の日記を改変するつもりはありません。しかし、思いつきを漏らすことの不用意さを呪うべき、あまりにひどいできごとに遭遇したため、ゲームを中断し、強い決意で先日の記述の一部に細工を施しました。
 ひどいと思われる対象は、当方とそれ以外とでは180度異なると思いますが、このシナリオを進めている今の自分だけは、思う存分当惑する権利がある。まったくもう。



7/20(月)

 5日前の段階でもう少し『タイムリープ』のオープニングを進められていれば、「放置プレイ」が単語でズバリと出てきて、話題の関連性がより直接的になったのに。ちょっと残念。
 あらゆるネタがつながるのが、愛の形をマニアックから美しく変えてくれる秘訣かと思います。

 そんなこんなで『タイムリープ』プレイ中、一人目をクリア。今回の時間跳躍騒動のきっかけには全然絡まない、でもくっつくならこの二人が一番自然だと思われる、同い年で血のつながらない妹役・悠でした。
 改めて字面にするとすごい設定だが、最初に需要ありきの後付け設定とは思わない。たとえそうだったとしても、あの子のことならそういう位置づけもあり得るかも知れないと思えるくらいには、丁寧に性格が描かれていて良いです。
 というか、どうしたってこのかわいさだったら悠ルートに引きつけられずにはいられないだろう?

 瞳の黒目のうるうる具合とか、おでこの広さを生え際で見せつつ髪は長いさらさら具合とか、くすぐるシーンでの指のわきわき具合とか、同じく指の動きでは困ったときに両手の指を合わせる際の指の僅かなしなり具合とか、もう大したもんです。
 そんな悠が主役のお話がこれまたベタな兄妹←→男女の揺れであって、しかしながら画像を注視しながらたどれる話のスケールとしてはこれくらい小さい方が適切かも知れず、一波乱ありながらも最後は幸せに終われて心底ほっとしました。
 それでいいのです。キャラで引っ張っていけるルートには、変な起伏がない方が安心できる。悠が「恥ずかしいよ〜」と顔を両手で覆うシーンが出るたびに、恥ずかしくて見ていられないのはこっちじゃ! とゲームの進行を止めて目を背けたりと、端から見てまことに残念なひとときを繰り広げておりました。
 あとは、望みを長年かなえられないまま心に抱き続けてきた悠には日々小さな幸せを充当する必要があって、そういう幸せ探しに長けてしまった様子を見ると、これからも幸多かれと祈りたくなった、くらいで終わりにしたい。

 一ルートクリアごとに実績が解除されて、実績はほかの人からは解除された順に並んで見られる。
 ということは、どういうクリア順を選んでいったかが丸分かりというわけで、体験版のときから次世代機でのギャルゲープレイ環境の変化には戸惑ってばかり。
 ちなみに『アイドルマスター』にはキャラごとのクリア実績は存在せず、そういうことに気は回らなかった。それにあれはオーディションというゲームの力も強い。今回は紛う方なきギャルゲー。
 救いは、ストーリーに絡む関係で全て「秘密の実績」となっており、同じ実績を解除した人にしか内容が分からないという点だろうか。いやしかし、内容の分かる人に見られることの方がむしろ問題なのではないだろうか。
 いや、いやいや。遊びたいものを遊ぶのが一番、気にしないのが一番。しかし、気にしないでおこうとすると案外気になってしまうものなので、慣れるまで我慢しましょう。

 そういうことが気になるくらい、『タイムリープ』が事前の予想を上回って楽しめるものだった、とも言えます。
 最初に「ゲーマガ」6月号の付録で「ぶーとべんち」という名の体験版を見たときは、動きのあまりのガクガクぶりに買うのをやめようかと思いました。プレイ直前に読んだ、「ゲーマガ」翌7月号での制作者インタビューで、影響を受けた作品のことを聞かれての回答が妙に上から目線だったのに、質問も意地悪であるにしても、あの体験版でなぜ威張れる? と不思議だったものでしたが、吹くだけのことはあると、製品版で納得しました。
 いまLive上で落とせる体験版は、改良されたものなんだろうか。そうであることを願います。もうほんと、まるっきり滑らかさが違うから。

 いろいろ技術は進化して、変わったこと、それでも変わらないこと、その両方が見られるのが面白いです。
 寝起きの悪い主人公を朝起こしに来るシーンなんて、そういえばそういう形式があったものだと懐かしく受け取りました。もう一つ、これを面白いと受け止めた当方のメンタリティの変わらなさも相当なものです。
 むしろ退行してるのか。これを遊び始めてからの日記の量が増えている。いろいろな思いがあふれてきて文字に起こしたくなる気分はこれまた懐かしい。こ、この現象こそがタイムリープ?(←心だけ過去に戻るのは違うと思います)
 さて次は、物語の流れからすれば、早くもボスっぽい雰囲気を漂わせるあの人に突撃しようか。「悠」の字から真っ先に連想する単語「悠久」、それと似た意味の名を持つあの人のところへ



7/19(日)

 『タイムリープ』はようやくオープニングを抜け、タイトルの由来になっている時を超えたキャラが登場。
 すでにいるキャラと同一人物であるため、見比べた子供に、ニンジャがやるようなブンシンか? と問われたりします。
 いや、どうやら最近のニンジャは、一色の装束に鮮やかなバンドというソリッドな出で立ちで、狭い足場から足場へ飛び移ったり、金塊や出口を目指して壁を蹴っての大ジャンプを見せたり、爆弾やら電気仕掛けの障害物やらに引っかかって四肢を飛び散らせたりするようです。
 この広い世界のどこかで、今日もそんなニンジャたちが、最大4人でアクロバティックに動き合っている。

 Xbox LIVE Arcadeで、この間まで安売りしていた横視点ステージクリアアクションゲームの『N+』を遊びました。
 ほんとにバーゲンとか廉価版とかに弱い。今回のゲームは以前に体験版をプレイしてみて、これは合わないと見送ったことがあるだけに、安いからって買っておいて今やらなかったらもう機会はないとの強い危機感から、今回プレイする運びとなりました。
 ゲームの価格と時間に対する価値観をちょっと変えてもいいと思った。

 使うボタンは移動とジャンプだけ(手詰まりのときに便利な「自爆ボタン」があるけれど、これのお世話にはできればなりたくない)のシンプル操作ながら、このゲームは地形を使うことでアクションが多彩になっています。
 というより、同じ移動やジャンプでも地形によって効果が違ってきて、それを把握し利用しないと先へ進めない構成。
 ここに、自機移動についた慣性・障害物の配置の狭さ・敵の攻撃パターンのいやらしさがトリプルコンボで加わって、バランスがとてもシビアです。

 失敗しても何度でもステージの最初からやり直し、という仕組みは、残機や体力を潰してのごり押しとは無縁の実力勝負。
 しかし、地形のちょっとした変化が一つのアクションを打ち消して全て台なし、というシチュエーションがあまりにも多く、なんと心の狭いゲームかと、自身の不注意を棚に上げてストレスがたまりまくり、髪が抜けそうでした。
 さっと走り抜けたり予定のアクションが決まったりしたときの爽快感は体験版では見つけられなかった楽しさだったけれど、用意されたステージを最後まで解くことはできませんでした。これは諦めた方が精神衛生に好ましい。

 と、そうあっさり投げ出すわけにもいかないモードが、ネットを通じての協力プレイという形で準備されており、うっかりこれに手を出したばかりに、これまたなかなかのダメージを負いました。
 4人まで増やして同時に遊べるのですが、それでクリアが格段に楽になるのではなく、あらかじめ役割が分担され、例えば上の画面でスイッチを押して下の画面でクリア、のように、協力プレイが前提とされたステージの作り方。
 そんなモードで、ほかの人が成功させて後は自分待ちという状況で何度も失敗〜リスタート、という失態が多々あり、心が痛みました。本当に申し訳ない。自爆ボタンが大活躍です(専ら相手の)。
 ただ、事前に示し合わせもしていないのに、何度かの失敗の後、きっちり2人同時にタイミングを合わせてステージをクリアしたときの、ニンジャどうしで念でも伝えたかのような驚きの記憶が、このゲームには宿りました。狭い通路に追尾ミサイルが絶えず撃ち込まれるので1人ではクリアが無理ななか、同じ場所に2人が潜り込んで、無言の「せーの」で走り出し、一人がミサイルを体で受け止めて散華、すぐ後ろにいたもう一人が、次にミサイルが撃たれるまでの僅かな隙を見事かいくぐったというもの。
 あれはびっくりしました。対人プレイはこういう奇跡があるから面白くて、今回はそれが救いです。



7/15(水)

 『タイムリープ』はずいぶん長いプロローグをプレイ中。台詞を飛ばしたときのモーションのつなぎにもうちょっと気を遣ってもらえれば、この動くギャルゲーの構図は『ゆめりあ』の正当な後継者と言えるなあ。

 ところで唐突に、放置プレイについて。買ったゲームをプレイしないでほったらかしておく方のではなく、プレイヤーが入力せずにゲームを起動させ続ける方の。
 そういうことは基本的にやらないけれど、少し前に遊んだ『まもるクンは呪われてしまった!』ではやりました。
 そうすることに、より正確にはそうすることを決めるまでの間に、一応その行為についての物語ができたと思えたから。

 毎度お馴染み、このゲームにもついている目標である実績の一つに、「得点アイテムを通算100万個集める」という項目があります。通常のアーケードでも移植版独自のストーリーモードでも練習モードでも、何でもいいから合算で100万。
 ひたすら遊び込んで、つまり目的をそれに置かずにプレイしていて、気が付けば累計で到達していた、というケースがまず想定されます。それだけ付き合ってくれてありがとう、そういう感謝のご褒美とも取れます。美しいやりとりだ。
 しかし、その麗しい絆が、どうもこのゲームにそこまでのめり込めない、などの理由で結ばれなかったとしたら。
 それでもひたすら遊ぶ、なぜならそこに目標があるから、と黙々プレイする。そういうケースもあるでしょう。

 しかし世の中には頭のいい人がいる。
 自身で画面をスクロールさせないと敵が出てこないのが基調のこのゲームで、ふつうの見下ろし型縦画面シューティングのように強制スクロールするシーンがあること。そのステージを練習モードで選び、ゲームオーバーからメニューに戻って再びそのステージを「練習」、決定ボタン連打でそのループが作られること。決定ボタンの連打は練習ステージ中ではショットの連打となるため、敵を倒してアイテムを取れること。さらに、敵を巻き込み、より多くのアイテムを出させる「呪い弾」も、別のボタンを指定して連打させれば活用できること。
 この全てをつないで、連射機能付きのパッドによって勝手にアイテムが蓄積されていく放置プレイのシステムができあがるのです。

 これには感嘆しました。
 それでも、実際に試してみると、ごく僅かしかアイテムが手に入らない。僅かでも、ちりも積もれば山となり、いずれは目標に届くだろう、しかしそのままいたずらに時間をかけてこの先駆者の妙手を丸なぞりしたのでは、この放置プレイにまつわる思い出が「模倣とひたすら長い待ち時間」になってしまいます。
 それではつまらないので、少しだけ手を加えました。
 もう一度、偉大な発案者に敬意を表して。

 キャラクターは、あまりショットの幅が広がらず、前方に集中されることで、狙った敵を倒しやすい「ふるる」で。
 難易度は、あまり高いと敵が強くて倒せず効率が悪いので、最低の「☆1」で。
 本来はプレイスタイルに応じて上下するのだろうランクは、数値が大きいほど敵が弾を多く放ち、それらは敵が死ぬとともにアイテムに変わるため、最大の「100」で。
 キャラクターが撃てるショットのパワーは、強すぎるとこれも横に広がって余計な敵を倒す一方、あまり弱いと先へ進めないので、中間の「2」で。
 最後に、各ゲーム内でのやられ許容回数であるライフは、ボスに到達してちょうどプレイが終わるよう(放置プレイではボスは倒せず、この時点でライフが余ると無駄な努力に時間が費される)、最大から1つ減らして「4」で。

 理由は後付けが多いし、もっといい組み合わせもあるかも知れないけれど、試行錯誤を経て自分で決めたこの設定で、1分間当たり800個程度のアイテムが手に入ることが分かり、通常のプレイほどではないにしても妥協できる効率の高さだと判断して、これで放置することにしました。
 ゲームを一日走らせっぱなしで、翌朝調べてみたら達成されていた、という、そこだけ取れば内容の絡まない結果に至るこの過程が、今回の実績にまつわる当方のお話です。

 固有だと信じられる思い出作りがないと、ゲームしてる甲斐がないというものだ。



7/13(月)

 『ナインティナイン・ナイツ』でゲーム中のテキストの効果のことを考えていたら、徹底してひらがなで表記させることでヒロインの幼さを打ち出した『My Merry May』やら、実在の言語をファンタジーの世界に混在させやがってと舌打ちしていたらきちんと落とし前をつけられてひっくり返った『プリンセスホリデー』やら、日本語に特化した読み物ゲームの思い出が蘇ってきました。
 また、あのゲームのキャラクターの名前の英字綴りにはアルファベットが連なるという共通点があるのだけれど、もしかしたらその特徴は別の言語から意味を拝借しており、その意味とシナリオの特徴が重ねられていたりして……、と、『シンフォニック=レイン』の亡霊まで呼び出す始末。

 最後のはただの妄想だろうけれど、そういう思いの連鎖がプレイのトリガーとなって、Xbox360版『タイムリープ』に手を出してみることにしました。
 純粋な読み物ゲームは久しぶりだこと。楽しめるといいのですが。
 最近は、遊ぶためにというよりは、遊ぶためのきっかけをつかめそうな候補を買っておいて、実際に遊ぶのはそのきっかけが得られたとき、という二段階のステップが必要なようです。やっかいなことだ。



7/12(日)

 『ロックマン9』のガチンコアクションぶりに満足したものの疲れを感じていたところへ、ずっと以前に安いから以外の理由なく買っていた『ナインティナイン・ナイツ』をふと思い出し、ぽちぽちボタンを押して進めるアクションだろうと見当をつけて遊びました。

 と、価格・リリース時期・状況の全てにおいて失礼なほど期待していなかったのに、意外なほど楽しく遊べました。いや、期待していなかったから、なのか(←だから失礼だっての)。
 主にストーリーの部分で。多面性が強く出てきていて、主人公数名にそれぞれの思惑があっても、より強い力を持つものから見ればただの駒としか扱われない様子がしっかり描かれていました。
 最後の隠し扱いのキャラに至っては、おおそういう解決策もあるのか、これもまた平和のうちだと、妙に納得した思いです。
 一方アクションは、ざくざく敵を倒せて楽しいところもあるけれど、敵がいないマップを移動するときの手持ちぶさたさと、時間をかけて一撃がやけに重いボスにたどりつき、それまでの調子で突っ込んでやっつけられてデータの蓄積がなくやり直しになる、という無双系アクションの好かない面がここでも現れていて、そういうところは引き継がなくてもいいのにと感じました。
 武器を振らないときは全速力で走るとか飛ぶとか、すればいいのに。

 ところで、このゲームではそれぞれの種族に固有の言語があって、ストーリーではそれを使い分けようとしているのだけれど、それが徹底していないところがあって、もやもやが残りました。
 まず技表の表記。こういうのはかっこいいカタカナ必殺技で全然構わないし、そうでなくてもどんな言語でも、プレイヤー側で普通に使われる書き方であれば問題ない。キャラクターはそれらを独自の言葉で使っているだろうから。その表示とゲーム内容とに、直接のつながりはない。
 ところが、キャラの一人である魔女っ子「テュルル」のそれに、「英語のひらがな表記」があるのです。これは困る。
 わざわざそう表記されるということは、そこに解釈を入れなければならない。この場合は、後から覚えた別の言葉を使いこなしきれず、最初に使っていて馴染んでいる言語の慣習で呼ぶ、というシチュエーションを想像する。
 恐らくそれは普通の言葉と呪文の関係に当てはまるのだろうけれど、テュルルに関して呪文を習うシーンがあればここはもう少しすんなり理解できたのに、と思いました。最初から師匠と魔法の応酬だったからなあ。
 いや、これだって相当無理をしていると自覚しています。それとも無理が利かないほど想像力が衰えてきたか。

 それを乗り越えたとしても、隠しキャラ(公式でそう扱っており、このゲームのことを嫌いじゃないので、敬意を表して)の最終シナリオにおけるあの一言が、重くのしかかってくるのです。
 ここはどうしようもないので必要な範囲で隠さず説明すると、いまわの際の一言が、ごく自然に「アイゴー」だったのであり、これには疑問符が浮かびまくりです。
 確かに他の話に見られたルールに囚われないところが魅力なシナリオではあるけれど、世界観まで崩しての制作者のこだわりこそ逆に崩されるべきかと、ここは強く思いました。
 動揺するほどびっくりしたのでこのステージをやり直し、やはりそう聞こえたと確認し、それでもまだ、手元にあるこのソフトだけがそうなんじゃないか、あるいはこれは通常版だけども廉価版では直っているのではないか、などと疑っているくらいです。
 それぞれの独自言語というこだわりが揺らぐと、それぞれの立場というこのゲームのシナリオの根っこまで影響を与えかねないのに。システムの立場は透明でなければなりますまい。

 ああ、そういえば件の12歳少女テュルルが、呼びかけに「おっけー」と元気良く応じるシーンがあり、「け」に音の高さ・強さともインパクトを置くイントネーションで違和感があったものでしたが、あれは英語の発音から持ってこられていたのですね。
 こういうのに納得できる説明は、ない方がいいものだなあ。



7/5(日)

 爪先立ってのぎりぎりジャンプと針山回避に躍起になり、ボスのパターンを知ろうと血眼になる時間がやってまいりました。
 海外やらWiiやらで先行配信されて気になっていた往年の横視点ジャンプアクションのレトロ仕様な最新作
『ロックマン9』がようやく日本のXbox360にも登場。個人的には1、2、5作目以来の真面目に遊ぶシリーズです。

 さっそく体験版から遊んでみましたが、体験版だから許されるはずの「無料分はここまで」というぶつ切りの線引きがとても見えにくくなっています。指定された1ステージ分が遊べるのだけれど、道中は何とか抜けられてもボスできっちり殺される。ゲームオーバーになって終わるのです。
 『ロックマン』シリーズの伝統として、どのボスも「他のステージのボスを倒して手に入れられる」武器を弱点にしていて、それなしで戦う体験版ステージのボスは比較的強い方です。
 もちろんどこかのステージは最初に選ばなければいけないのだけれど、攻略しやすい弱いボスが他にいる。
 他から武器を持ちこむことで楽になる仕組みは、どこかに書いてあるんだろうか。この難しさをそのまま受け取ったら、多分その先は遊ばないだろうけれど、そういう人は最初からターゲットにされてないんだろうなあ。

 気を取り直して本編ですが、だいぶ努力しました。
 連射以外に出番のなかったパッドが、十字キー目当てに召喚されました。かくなる上はデバイスを言い訳にはできず、うまくゲームが運ばないのは腕前のせい。
 ステージクリアごとにセーブができる(方眼紙に石を置くタイプのパスワードがないのはさすがに現代だ)とはいっても、クリアがまずは一苦労。特にボスで、面白いように命を散らしていきました。
 ノーミスクリアなんて、初回の通しで遊んでいるうちは考えられもしなかったし、ましてや初期装備限定プレイなんてなおさらだったものです。

 なんと、それが最終的にはできるようになるんだから、まったく良くできたゲームだと言わざるを得ません。
 受けるダメージを半減してくれるシールド、なんていう便利アイテムに頼ったとしても、初プレイから思えば、慣れた頃のボス戦はアイテムとは別の鎧を2枚くらい着ている気分でした。
 なぜ食らうか分からず攻撃を食らってしまう不快から、分かっているのに食らってしまう不快へ、そして分かった上で避ける快感へ。修練の成果がクリアという確実な形で現れてきます。
 敵の攻撃が強くても、こちらの攻撃が弱くても、食らわないでいられればいずれは倒せます。1の積み重ねは0のそれより大きいに決まってる。

 かくして、久々に「ねじ伏せた、征服した」という気分にさせてもらえ、気持ちよくゲームを終えることができました。こんなに楽しめるなんて予想以上。郷愁感覚はもちろん加味されているにしても、微妙な位置調整ができるアクションは楽しいなあ。
 まあ、ゲーム内の挑戦項目「Mr. Perfect」(一度も攻撃を食らわずに全面クリア)はできる気がしませんが。『ロックマン9』では独自の目標が50個設定されていて、Xbox360版ではそのうち12個が実績として扱われているのですが、これが実績に選ばれていなくて本当に良かった(←食らわなければどうこう言っていたのはどの口か)。



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