ゲーム+α日記(2013年3月)

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3/30(土)

 この1週間、いろんなことを考えていた。それらを言語化するきっかけがつかめず、文章に表すには自分の手に余る。
 ただ言えることは、『北京オリンピック2008』にはオンラインプレイがあり、それを巡る非常な厚意がもたらされ、それを自分のやり方で受け止めることができた、ということ。

 こういうことって、多くの人は小学生段階で習得するのではないかと思う。
 ただ、当方の場合は、3年間遊んだ、少なくとも当時はゲームを進める上でパーティープレイが必須だった
『ファイナルファンタジーXI』で、ついに一度も率先してパーティーを組むことがなかったほど、共同作業に関して、良く言えば超晩成型。
 だから、今回のことをどれだけ大きく評価するかは、まったく個人の事情でしかないのだけれど、まあぐるぐると、考えごとだらけでした。

 何よりも、まずは感謝を。
 これ、新品を500円で買ったのだよなあ。こんなに多くの思い出を残すとは、実に油断ならないゲームだ。



3/24(日)

 『北京オリンピック2008』の実績落ち穂拾いを行いました。対象は2種目、200m走とスキート。

 100、200、400mと距離が違っても、この3種目の操作系は共通。スタートダッシュを決めて、ひたすら連打してゴールします。
 ところが、実績の目標値は200m走が最も厳しいようで、同じ条件下でもこれだけが達成できない。何しろ連射装置(リアルアーケードプロ)を使っているので、コンディションの同じ具合については間違いないだろう。そこに自信を持つべきかという問題はべつにあるけれども。
 目標タイム19.20秒に対して、さんざん繰り返してのベストが19.23秒でした。普通に試してもこれ以上は伸びそうにない。
 連射速度が共通だと入力が受け付けられないことから、ここで「普通に試す」というとき、AボタンとBボタンの設定をずらしているのですが、素早く連射速度を変えてやることで人の揺らぎが幾分でも再現できるのではないか。そんなこともやってみましたが、悪あがきでした。
 何とかならないか、ネットの海を漂ったところ、「ボタン連打よりもスティックを振った方が速い」との情報あり。
 この競技では、走るためには「ABボタン交互連打」か「スティック左右交互入力」のどちらかが求められているのです。しかしスティック入力などネタだろうと思い、これまでまともに取り組んでこなかった。何より、スティックを振るのに対応できる機械がない。
 しかし、そこにしか活路が見いだせないならば、やってみよう。

 スティックを回す担当だった有線パッドが、スティック酷使のよしみで、またも受難を被ることになりました。
 素早く左右に入力するのに、どのような態勢が最も有力か。試行錯誤の末、ボタンを連打するときの痙攣打法を適用できるような形に落ち着きました。
 痙攣のためには、手首より体側は力を込めて固定し、手首をできるだけ小さく細かく動かし、距離が指に増幅して伝わるようにしています。そして、手首を90度回して指の向きを変えると、ボタンを押すための上下運動は、スティックを振るための左右運動に互換する。人体の融通の利きには感心させられます。
 かくして、「中指の腹をスティックの腹に当て、人差し指と薬指でスティックをはさんで固定し、痙攣によって左右に振る」形が出来上がりました。
 後は、パッドを操作しやすい位置に置くこと。パッドとひじを机の上に置き、余計な力の分散がないようにひじを落ち着かせる。左手は、パッドの固定と、スタートダッシュのためのLTボタンを担当する。
 なお、この「スタートダッシュ」は、LTを引いてゲージを溜めて、ある量が溜まったらスタート、となるのですが、それを号砲に合わせるのに、「溜められるようになったらすぐ溜め始め、ぎりぎりまで溜めたらLTを離し、ゲージが空になったらまた溜めると、ゲージ満杯がそのままスタートのタイミングになる」という発見がなされており、これを利用しました。
 加えて、LTはゴール直前に胸を突き出すことで、わずかながらタイムが縮まりそうな動きに見えるので、それもやる。
 ここで間違えてRTにすると、ガッツポーズが出てスピードが緩まるという罠。ただ、これも実は用途があり、オリンピックモードで1位入線の際にポーズを決めるとボーナスポイントがもらえます。しかし僅差で欲張って使ったら逆転されて2位に落ちることがあったので、やっぱり罠か。

 スタートをうまく決めたと思えたら、右手がスムーズに痙攣するよう集中し、力の限り振って振って振りまくる。20秒弱といえども途中で疲れてスピードが落ちてくるので、ポーズで休憩。全然20秒じゃない戦いの末に、みごと規定ぎりぎりの19.20秒が出ました。
 やるなスティック。確かに、ボタンを押して放す、の動きに対して、右&左、と入力が倍になっているので、元の動きが同じ速度なら、より速くなるのも道理なのかも知れない。
 あるいはただ、スティックの方に速くなる補正がかかっているだけかも知れない。
 真相は不明です。確実に言えるのは、スティックの方が記録が出たということ。まさか真面目に炎のコマばりの動きに挑むとは思ってもみませんでした。右手が燃え尽きた感じでぐったりしています。

 さて、もう一種目はスキート。
 スキートとはクレー射撃の一ジャンル、らしく、そういう競技のことは全く知らなかったのですが、興味深いことにここで使っているショットガンはロックオン方式を取り入れているのですね。
 照準は自由にではなく、指定されたクレーの軌道上を動かすもので、照準内にクレーが来たら撃つのですが、それだけではちっとも壊れない。なんと、ある程度クレーの動きに追随させて照準を合わせ続けることで、当たり判定を持つようなのです。あたかも、照準がクレーをロックする時間が必要であるかのように。
 クレーが来るのを見て、軌道の先の方に照準を動かす。照準の動きの方が遅いので、やがてクレーが照準に追いつく。そこで撃って初めて首尾良く撃ち落とされる、という案配です。
 なぜこうなのか。不思議に思って、クレー射撃の実際を動画で見てみたら、まさにそうやって、クレーを追いかけるように銃を操っている。位置を固定して撃っている人などいないのです。つまり、ゲームの挙動がスポーツ的には正しい。

 これは、撃つ人は主観視点で見ているから、クレーの動きを追う方が安定するのに対して、プレイヤーは客観視点なので、より幅広い視点が得られている、という違いがあるのではないかと推測しました。それと、ゲームならではの「照準」の存在。
 最初は点ほどに小さく、クレーを追いかけるほど大きく広がっていく、みたいな動きの演出が照準にあれば、もっと分かりやすかったのに、と思います。
 そして、そういうルールだと飲み込めれば、2箇所から相次いで撃ち出されるクレーにどう対処するか、というこの競技のポイントも理解できてくる。
 1投目をできるだけ速く撃ち落として、2投目に備えたい。そのために、1投目の撃ち出される近くに照準を置いて構える。声がクレーの射出を予告してくれるけれど、もっと直接的なのは、オリンピックモードでスローをかけられる残りゲージの登場。これが画面に出ると、1投目の登場まですぐです。
 スローをかければ、クレーの動きも遅くなる。照準の速度はそのままなので、クレーが照準を通り過ぎてしまっても、悠々と追いつけます。そこでじっくり合わせて1投目を始末し、すぐにスローを解除し、2投目は普通に対処する。
 2投の場面は何度もありますが、特に難しい何箇所かにスローを割り当てれば、全弾撃破も見えてきます。

 能力が最大まで育った、オリンピックモードの2周目・13日目のデータを用意し、スローを駆使して、やっつけてやりました。
 分かってくれば面白く、よく考えられてもいる。説明不足が何とももったいない種目だとしか言いようがありません。
 …あれ、あるいは、銃を動かしながら撃つのが安定、なんてのは、もしかしたら一人称視点シューティングでは常識なのか? ジャンルが違うといわれてちっともピンと来ない一人称と三人称の視点違いの差って、そういうところにあったりするのだろうか。
 今度FPSを遊ぶときに、ちょっと試してみよう。



3/23(土)

 この圧倒的な達成感。その幾分かは自分由来でなく、整備された道を歩みながらかつての道のりの荒れっぷりを思い起こす観光気分がもたらしている。
 『北京オリンピック2008』で、「オリンピックモード」を最初から失敗せずに通しプレイしてクリアする目標を達成しました。

 この「オリンピックモード」は、予選から決勝へといろんな種目をまたいで行われる本式のプログラムのように進み、各競技で指定されたお題をクリアしていく、というもの。
 必然的に、多くの種目に精通しておかなければなりません。
 中でも、最終日の決勝で金メダルを5種目から4枚取れ、との設定はかなり厳しい。これにどう対処するかが、今回の課題でした。

 用意した対策は2つ。
 最終日の苦手な種目の一つ「平行棒」については、頑張って練習して慣れる。しかし、コントローラーの持ち方などに工夫はしたものの、結局は自信が持てないまま、上達に見切りをつけました。
 一方、苦手のもう一種目である「走り幅跳び」で記録を伸ばすには、ある程度は運が絡む。踏み切りのときの助走スピードが、いつも最高速度とは限らないのです。これは連射装置の気まぐれであり、機械に頼る方式の弱点。
 それを補うために、「予選の段階で好記録を出しておく」ことにしました。この結果が本戦にも引き継がれ、決勝が振るわなくても、うまくすれば予選の成績で勝ち抜けるかも知れない。そして、うまくいかなくて最初からやり直すはめになったとしても、予選であればそれほど時間を食わない。
 やってみると、予選が日程の序盤にあるために、良い記録がなかなか出ません。同じ選手なのに予選がいまいちなのは、彼らが予選だからと無意識に手を抜いているからではなく、このモードが成長要素を取り入れているためです。序盤は選手が育っていないので、いい成績が出にくい。
 オリンピックの舞台に立つほどの実力者が、たかだか半月のうちに成長もないものだとは思いますが、通りいっぺんの練習とは異なる大舞台の経験が、秘めたポテンシャルを引っ張り出すのでしょう。そう思うことにした。
 成績に応じて能力にポイントを振り分け、強化していきます。能力と走り幅跳びの関係を、いろいろポイントを振り分けながら見ていくと、どうも、「スピード」が飛距離に、「敏捷性」が踏み切り角度の決めやすさに、それぞれかかっているように感じられる。そして、序盤ではこれらを育て切ることができないのに対して、最終日ではほぼ全てのパラメータが最大まで届いているので、同じプレイならよりよい記録となる、という仕組みのようだ。
 だから、予選で出せる記録にも限界がある。それでも、いい記録を持てているとの思いが、お守り代わりに他のプレイに好影響を及ぼすのではないか。決勝の場面で、失敗できない緊張に震える要因が少しでも減らせるなら、やってみる価値はあると思うのです。

 ということで、「スピード」に持てるポイントを全て割り当て、予選で好記録が出るまで走り幅跳びを繰り返しプレイした。角度決めの難しさは回数でカバーする方針です。それが、オリンピックモードで自分にできる精一杯の準備だった。
 その結果得られた8.60mという記録は、この段階ではおそらく上限に近い数字で、一縷の望みにすがれるようにこれを採用して、その後の日程に進みました。

 結果的に、走り幅跳びに関するこの準備は実らなかった。本番の決勝では、競争相手がそれ以上の記録を出してきたからです。
 しかし、予選でということで場面も目的も違っていても、走り幅跳びの練習を積んできたのは事実だった。その効果があって、能力を高めた決勝で、さらに上の記録を出し、他国代表を再度追い抜くことができたのでした。
 悪く言えばシステムに寄りかかった姑息な動機から始まったのに、終わってみれば正攻法の結末を迎えたのが、ちょっと面白く思いました。
 ちなみに最終日の平行棒は、頑張ったものの銀メダル。走り幅跳びの結果は必須だったのです。このことも、できる準備の実らなさという点で、終わり良ければ全て良しの形の中にほろ苦さを加えてくれます。



3/22(金)

 他に流用の効かない独特な操作系を制する喜びというのは確かにあるものだと、『北京オリンピック2008』カヤックで規定タイムを突破できた余韻に浸っております。
 もちろん、たった一度とはいえ達成できたからこその余韻の心地よさであり、この日記の更新の源でもある。

 この競技では、移動のための入力手段が3つあります。
 前進のためには左右スティックを同時に、両方とも外側へ倒す。
 左(右)に曲がりながら前進するためには、左(右)スティックの片方だけを外側へ倒す。
 その場で回るためには、左(右)スティックの片方だけを下へ倒す。
 パドルで水をかく挙動を反映させたものでありながら、ここに後退を加えれば、何やら2本スティック制の戦車もののようなセッティング。
 この操作ルールの下、指定のゲートをくぐりながら急流を下ってゴールへ進みます。

 初プレイでは、挙動があまりにままならないので、まっすぐゴールを目指しました。ゲートは一切無視。どのように進むか、どう曲がるかを体感しながら、ときには転覆もしながら、とにかく進む。
 ゴールすれば、無視してきたゲートくぐりがいかに重く設定されているかも分かる。一度でもミスってはならない重要さです。
 まずはそのような突貫から始めて、狙った方向への移動の仕方、ターンの仕方などを徐々に探っていきました。

 個人的に大事だと感じたのは、狙いの方向をできるだけ早めに定めること。
 ゲートを抜けたら、次に目指すゲートへ、すばやく体の向きを揃える。そのためには、下入力を使いこなすのが速い。
 横入力で距離を詰めながら前進、なんて欲張ると、たいてい失敗します。何せボートの下は急流、さらに水の流れも場所により不規則に異なっている。そのため、まっすぐ進んでいるつもりでも、水に押されて進路は常にゆがむのです。
 だから、なるたけ短時間に、水の影響を受けないよう、すばやく向きを変えるのが好ましい。
 向きを決めて前進、くぐってまた向きを変えて前進、その繰り返し。ここでは、スティック片方入力による前進しながらの横移動は、最初に決めた方向の微調整をゲート間際で行う程度のサポート的な立場です。

 左右旋回がクローズアップされるのは、たまに現れる「逆向きに通らなければならないゲート」においてです。水の流れに逆らって、一旦通り越したゲートを川下からくぐり、離れた位置で再び反転して下る。なんと意地悪な課題であることか。
 この場合は、あたかもドリフトのように、ゲートを通り越して逆側に来たときに、船首がゲートの向きに一致していると、タイム短縮に有効だ。
 だから、ゲートを横目に通り過ぎるとき、少し距離を置いて旋回します。下手にゲートに近づくと、うっかりゲートをそのまま通過してしまいかねない。致命傷です。

 向きの転換、たまにある急流への対応、反転ゲートの処遇、全てがきっちり決まってゴールを駆け抜けたとき、まさに水の流れを制した気分でした。
 ミニゲームと呼ぶにはもったいない充実感。取っつきの悪さでこの上なく損をしているけれど、柔軟な姿勢で臨めば、遊び応えを返してくれる。このゲームのカヤックは、なんと思いもよらないことに、良い競技であったと感じられたのです。
 もちろん、たった一度とはいえ達成できたからこその(略)



3/21(木)

 これだけの種類の競技と、異なる種類の操作系があれば、自ずと得意不得意が生まれてくるもののようだ。デカスリートの偉大さが理解できた気になれます。
 『北京オリンピック2008』における当方の得意種目は、スティック回し系とスタートタイミング系。と書けばゲーム側の記述で途端に味気ないけれど、短距離走・水泳・槍以外の投擲・飛び込みなどが、苦にせずにこなせます。
 逆にお客さん扱いされてしまうのがタイミング押し・合わせ系。体操競技や幅跳びがなかなか手強い。
 こうなると、平行棒と走り幅跳びという苦手の2種目が待っていて、少なくともどちらかで優勝しなければならないオリンピック最終日の試練が重くのしかかってきます。
 練習しかないなあ。特に平行棒を頑張ってこちらの味方に引き入れられるかどうかが、オリンピック制覇への課題になりそうです。

 しかし、得意か苦手かとは別に、これはどうにもならないという大変な種目もあって、激流を下りつつ指定位置のゲートをくぐるという「カヤック」なる競技にはお手上げ。
 なぜこの競技がゲームに選ばれたかが一番気になるくらいに、操作から目を背けたくなります。
 もっと他に注目すべき、伝統ある競技があるだろう、レスリングとか(←パッケージと説明書の種目数が違っていたことへの言及の際に、採用されなかった競技のネタに使えなかった無念を、ここでむりやり晴らす)。



3/17(日)

 しかし考えてみれば、『北京オリンピック2008』に対してこのように寛大な気持ちで接していられるのは、年月を経て先人たちにより蓄積された情報のおかげだ。
 そのことを忘れ、自分一人の力で楽しめているかのように錯覚してはならない。
 また、情報とも重複するけれど、このゲームが求めてくる連射水準が極めて高いことから、これによく対抗しうる装置があった上で初めて、楽しむ土台が整ったと言える。最初からその高さに運ばれていることの幸運を思います。これがなければ、ちっともクリア基準を満たせない腹立たしさにまみれていたことでしょう。
 具体的には、連射機能付きのコントローラ、それも、アナログスティックを備えたパッド(「ホリパッドEXターボ」)、およびトリガーボタンへの連射設定も可能なアーケードスティック(「リアルアーケードプロVX-SE」)の二枚看板を擁していること。さらに、スティックへの無茶な回転入力も体を張って受け止めてくれる、我が家での現役360パッド第一号にしてAボタン摩耗により隠居状態にあった有線標準コントローラの存在。
 無線の標準コントローラも含めたこの4台態勢が、『北京オリンピック2008』の持つゲーム進行上の問題点をほとんど消し去ってくれる。

 より正確には、「一つの有線コントローラの接続を外し、電源を入れた1プレイの間で同時に接続されていないコントローラを接続すると、新たに接続したコントローラがタグの状況を引き継ぐ」という現象を加えることで、共同性がぐっと高まる。
 すなわち、1プレイ中に別のコントローラを引き継いで使えるのであり、それぞれ異なる特性を持つ複数台のいいとこ取りで好成績を狙う、などということができるのです。
 これは全く盲点だった。別のコントローラは常に別のタグと結びついているとばかり思い込んでいましたが、それだと運営上の問題があるのか。ルールの抜け穴をついている感が漂ってきます。
 こういった、それぞれのコントローラの特徴をどうやってうまく生かすか、という工夫は、スポーツ選手になぞらえれば、スピードのために靴や水着を工夫するようなもの。
 己の技量を高めるほかに、記録を伸ばせるなら、許されている範囲で何でも試す。何やら現代スポーツの縮図が見えてきた気までしてきました。

 なお、一見最も万能感を醸し出しているホリパッド(いわゆる初代)ですが、「ボタン連射とスティック動作は同じ加速機能が割り当てられていても効果が加算されない」のは残念。
 走る速度を上げるのに、ボタン連打の他にスティックの左右振り(炎のコマ的な)でも受け付けてくれるとのことで、併用できたらより速くなるのでは、と期待しがち。ところが現実は厳しく、スティック入力の途端に加速が落ちました。
 また、「スペック上はより速い連射速度がありながら、実際はリアルアーケードプロより加速が遅い」のもいただけない。
 さらに、これは体感なので真偽のほどは定かではありませんが、どうもホリパッドでは入力に遅延があるような。最初はトリガーの押し込みの感覚違いからかと思いましたが、どうにも入力から応答までが少し滑る。
 他に報告を見たことがないし、自分でも他のタイトルで強く感じた覚えがないけれど、このゲームではどうにも気のせいとは思えない。少しのズレでフライング・記録なしに終わってしまう。他のコントローラとの比較で明らかです。
 ということで、ホリパッドはあまりタイミングを気にしない連射競技に使われています。それでも、アナログスティックつきの優位さは揺るがない。
 そして、4台みんなの力を合わせれば、4人オフラインプレイだって可能です。仲良きことは美しきかな。



3/16(土)

 スポーツ盛り合わせつながりという縁もあって始めた『北京オリンピック2008』、一通りの競技に触れ、いよいよ通しプレイの「オリンピックモード」を迎えようというところ。
 この「一通りの競技」がなまなかな数ではなく、合わせて38種目…と、パッケージやマニュアルをめくってすぐのページには書かれています。一方、種目別の紹介ページにあるのは36種。
 ん? 何が抜けているのか、といぶかしみましたが、残り2つは恐らく、一人で複数の陸上種目をこなす男子10種競技・女子7種競技を、独立した種目として足しているのでしょう。確かにそういうモードもある。
 とにかく種類が多いのです。
 そして注目すべきは、それぞれの競技の特徴に合わせようとして、操作系を変えてきていること。

 基本をなすのは「速い動きは連打から」の古代から伝わるオリンピック精神に則ったボタン連打ですが、よりテクニカルな競技には変則的な操作こそがふさわしい。
 その挑戦的な心がけはとてもいいと思います。
 まあ、出来上がったものの中には、なぜそこに目をつけた、と首をかしげたくなるような「左右トリガーボタン交互連打」「ABボタンを交互連打→トリガーボタンを目押し→スティックを素早く回転」などという奇怪な取り合わせもあるのだけれど、高飛び込みの操作方法には感心しました。
 「手の先を片側、足の先をもう片側のスティックに対応させ、飛び込むまでの体の動きをスティックの位置でなぞる」というものですが、互いに逆側に倒したりする様が、ピンと伸ばした手足の形に見立てられて、なかなかに美しい。
 左右同時操作が適度に複雑なこともうまく働いて、短いながらよく競技の特性に即しているものだと思いました。

 ほら、この時点でもう『Big League Sports』とは比べものにならない面白さだ。手放しでは褒められないにしても、あの仕打ちを受けた後では、『北京オリンピック2008』が干天の慈雨のようです。
 ところで、本番の「オリンピックモード」ではいろんな種目を次々にこなしていくようだけれど、それって、全て出てくるようなら36種競技ということですよね。呼び方はヘキサトリアコンタスロンになるのか?
 10種競技がかすむ大スケール。制するならまさにオリンピックの覇者、筋金入りの名に恥じぬ万能ぶり。目指したいものです。



3/11(月)

 すでに次に遊ぶものを決めていたとしても、自爆と紙一重のような捨て身の振る舞いを見せられたら、プレイ順を譲りもしようというもの。

 先だってから今週にかけて、ほとんど突発的に、Xbox360上で多くのデジタル販売タイトルが劇的にバーゲン販売されました。
 その物量はサイバー安売りテロと呼びたくなる勢いで、不意の直撃を食らった当方は慌てふためきながらポイントをチャージし、なんてことだと天を仰ぎながらハードディスクの残り容量を準備し、その攻勢に押されっぱなしのまま購入ボタンを次々押していったのです。
 そんな慌ただしさに便乗するように、セガまでもが自前のなつかしタイトルを大廉売。
 これはしかしリリース日に対してタイミングが早すぎで、毎度のこととは言えセガのこらえ性のなさに首をかしげながら、さほど考える余地もなく全買いしたのでした。

 今回の安売り対象は、その昔一世を風靡したポリゴン格闘の英雄たち、『Virtua Fighter2』『Fighting Vipers』『Sonic the Fighters』の3本。
 家庭用ゲーム機ではサターン対応となるこれらに、しかし当時から対戦格闘とほとんど縁がなかった自分は触れたことがなく、従ってどれも今回が初プレイです。

 そして、その難しさに、ただ嘆くばかりでした。
 特に『バーチャファイター2』など、難易度を最低に落とそうが、2人目で容赦なく叩きのめされる。30秒2本勝負でも、時間切れまで保つことなどない。コンティニュー回数がどんどんふくれあがっていきます。
 これが回転していたのが、当時のゲームセンターだったか。しかも、今回の1タイトル辺りの購入額とほぼ同じ、1プレイ200円ではなかっただろうか。

 もちろん、当時最新の見栄えする画面であり、勝ち負けがむき出しの対戦特化システムであり、強いものが偉いのだと、分かりやすい序列ができていた。
 それら全てを作り上げた末の勝利であり、確かにあのときセガは輝いていたのだと、当時から遠く離れてニッチを埋める売り方を選択した果ての接触ではあっても、その残光が確かに感じられました。

 いや、思えば今回だって、セガは己の挑戦を成し遂げたのだ。
 少しでも往年の名作に触れてもらうために、触れてもらうだけでいいとへりくだって、価格もゲーム内目標も、極限まで敷居を下げた。それが目的だというのなら、間違いなく狙い通りに事は運んだ。現に、この自分が格闘ゲームに手を染めている。
 そこに目標を設定することに違和感があっても、それは外野の感想に過ぎず、セガにしてみれば大きなお世話というものです。



3/9(土)

 血涙流しながら、『Big League Sports』を進める。
 あ、大げさ言いました血なんて流してません。毎回のゲーム終了時、成績とともに、遊んでいる風景を隠し撮りした写真を見せつけられるから、ホラだとばれてしまう。
 映っているのは、ふてくされた、ないしは死んだ魚の目をした姿ばかり。

 やめてしまえばいいだろうと、自分でも思いました。
 それでも、いくつか続ける理由はある。実績のこともあるし、難しいから先に進めないというのでなければどこか面白いところもあるのではないか、それを知らずにやめていいのかとの未練もある。
 実際、バスケットボールを題材に、シュートを連続して決めていくミニゲームは、素早く動くことが好成績につながると分かり、頑張る意識を持たずにプレイができた。このゲームと関わって最も楽しいひとときでした。
 そんな束の間の幸せも、その後の守備側でゴールを守るミニゲームのだまし討ちめいた視点変更で台無しに。その前にプレイしたゴルフの部で、パッティングの強弱の打ち分けが最後まで理解できず、カップすぐ脇から強打して外しまくったのと合わせて、最後まで後味の悪さが残りました。
 つまり、その程度の工夫の余地が当たり前に実装されてはいないゲームなのです。

 もう一つ役割があるとすれば、このゲームを遊ぶ人が他にほぼいないだろうから、その内容を記録に留めることだろう。
 ただ、ここでは不平たらたらでも、全ての人の感想が同じとは限らない。10時間の軽労働で実績解除が完遂できることをメリットと取る見方もあるだろう。それには気をつけなければ。
 そもそもの不満の発端が、同じミニゲームの繰り返しを求める実績の設定にあるのだけれど。どんな簡単なステージも、例えば100回クリアせよとの題目ならとたんに気が重くなる。やる気を削ぐという点で難易度を高めている、そういう実績が、全てのミニゲームについている。これがいただけないのですね。
 一度きりのプレイでさっとやり過ごす分には、これだって問題ないのかも知れない。大人数でのパーティープレイならなおさら。
 もっとも、さらに元をたどれば、何度も繰り返したくならないゲームってどうなんだ、という話につながるけれども。堂々巡りだ。ゲームはどれも面白くあって欲しい。

 ところで、面白さは相対的なものであるとの観点に立てば、今ならどんなゲームも前との比較で面白く感じられるのではないか。
 そんな思いから、評判の悪いゲームを手持ちから思い浮かべて、一つ投入してみようではないかと思い立った次第。
 あんまり気張るとゲームを嫌いになりかねないので、出来心にこだわるのもほどほどに、と思いつつ、本当に面白く遊べたなら得ではないかと、少し期待をかけています。
 選ばれたのは
『北京オリンピック2008』。どれだけ楽しめるかが楽しみです。



3/6(水)

 死んだ魚の目で『Big League Sports』を進める。
 3種目めフットボール、4種目めホッケー、安定の低クオリティです。
 これだけ自由を奪った作りにできることに感心します。このゲームをプレイする様は、例えるなら仕事。なにゆえ、本業を終えてからまた働かなければならないのか。実績解除を生業になどしていないというのに。

 話題が出たついでに、実績の話でも。ここでもこのゲームのダメっぷりが明らかです。
 大きく6種目のスポーツが用意され、各競技が3種のルールのミニゲームから成る。それぞれのミニゲームごとに達成記念が設定されている。ところが、それらとは別に、「3種すべてを制覇した記念」がある。
 この「全制覇記念」は、3つめのミニゲームをクリアした段階で、そのクリア記念と同時に達成される。

 つまり、このゲームには、「他の実績と独立した解除条件が存在しない」実績が、計6個もある。
 実績解除がそのゲームの思い出作りだと捉えている当方にとって、これほど頭の悪さを見せつけられる設定の仕方はなく、呆れるばかりです。固有の記憶が伴わない実績が、あるというだけで受け入れがたいのに、それが6個も!
 作り手にやる気がないのとは違う。やる気がないなら、少ない項目に、大きな点数を適当に割り振るだろう。条件を考えるのが面倒くさいのではない。良かれと思ってやっていることが役割を果たしていない。考えが足りていないと断じて差し支えないと思います。
 このゲームじゃないけれど、「全解除実績」も同じ理由で頭が悪い。それぞれの実績項目は独立の解除条件を持つべきです。それによって、ゲームの可能性は広げられ、プレイが豊かになる。
 その実績は何のためにあるのかという問いが立てられるなら、こんな項目は作らない。PS3のトロフィーとは訳が違うのだ。ほんと、頭悪いなあ。



3/3(日)

 体重のドーピングで消費カロリーの増加を細工して、ソフトの消費姿勢を隠そうともせず、と、『ユアシェイプ フィットネス・エボルブ』に向かう姿勢は真摯なものではとてもなかったけれど、プレイ中の限られた時間でどれだけ運動に結びつけられるかを模索することに関しては、割と真面目でした。
 いろんなポーズを試した結果、大きく動くことを認識してもらうことが重要との結論に至りました。その上で、与えられたポーズの合間に、通常の動きのリズムを邪魔しないで、腕を振り回すモーションをどれだけ多く組み込めるか、という工夫の余地が大いにあったのです。
 その点については、「一生懸命動いて!」とのソフトからの檄に応えられたと思う。

 そんな『ユアシェイプ』に比べればよっぽどゲームっぷりを期待して、『Big League Sports』なる舶来スポーツバラエティものに取りかかりましたが、完膚なきまでに裏切られ、敗北感でいっぱいです。
 一見スポーツっぽく見せて、求められるのは直前の指示通りに動くことだけ。それを積み重ねて、数分で1プレイが終わる。いくつものモードがその原則で統一されています。
 プレイヤーにいろいろやらせようとは思わなかったのか。そのコンセプトが、体の動きを伴ってさえ一瞬で退屈をもたらすことに、一度でもテストプレイすれば気づきそうなものですが、気づけない才能があったのかも知れません。ゲーム作りに欲しいのとは正反対の才能が。
 たとえ十数分でも、つまらないゲームに触れていると魂が枯れてくる。しかも、経験値をためてランクアップを目指すのに、遊んでいくほど数値のたまりが悪くなる謎仕様。繰り返しプレイしてもらいたいとの願いと、そうしてプレイヤーが喜ぶのとは別で、不幸な思い違いがこのソフトには満ち満ちています。
 最初に選んだ競技がサッカーで、あまりのつまらなさに、まあアメリカでサッカーゲーム作りに気合いが入らないのはしょうがないかな、と、『Kinectスポーツ』のすばらしさを横に置いてむりやり納得しようと思いましたが、次の野球でも継続してつまらなかったので、ああ野球にも愛がないんだな、と個別のケースで説明づけるより、ゲーム作りに愛がないのだと拡張する方が当たっている、と思い直した次第。
 あと4つも競技があるよ。画面内のアバターたちは楽しそうだけれど、そんなに楽しいなら彼らだけで遊んでいればいいのに。
 キネクトと同発ならともかく、2年目の2011年発売でこの出来かと嘆きたくなりますが、タイトルで検索するに、元ネタは2008年のWii版なのか? 使いこなせなくてずっと作っていたのだろうかと想像すると、腹立たしさが消えはしないけれど、努力が実を結ばなかったことに、何やら切なさも感じられてきました。そんな努力があったかどうかなんて、想像でしかないのですが。



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